補完神学の提案21

実は、私は「二、三人の神学」という按手礼論文を書いた紀元二千年の時点で、まだ、私に大きな影響を与えてくれたマルティン・ブーバーユダヤ人哲学者)を知らなかった。彼のことを知るようになったのは、私の按手礼論文を丁寧に読んでくださった阪神地域の他派の大先輩牧師が、「先生は、マルティン・ブーバーを読まれましたね」と私に確認されて、私が「いいえ」と答えたことからであった。このことをきっかけとして、全くマルティン・ブーバーを知らなかった私が、マルティン・ブーバーを読んでみようと思うようになった。とは言っても、結果的に私がブーバーから理解したのは、革命的名著である「我と汝」の枠組みだけである。これがすごい。つまり「我と汝」「我とそれ」とは違うと知っただけで私はショックを受け、これに捉えられてしまった。